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2011年8月15日 (月)

米軍飛び石作戦の真の意味

 最近、堀栄三著「大本営参謀の情報戦記」なる本を読みました。大本営の情報参謀として与えられた限られた情報をもとに米軍の作戦をことごとく的中させ、マッカーサー参謀の異名を取った堀栄三氏の好著です。
 
 戦後これを怪しんだGHQに、米軍中枢にスパイでもいたのかと尋問されたほどの人で、非常に面白い本ですがこの本の紹介は後日いたします。
 
 今日はこの中にあった米軍の「飛び石作戦」についてです。
 
「飛び石作戦」とは…
 
第二次世界大戦の太平洋戦線において、アメリカ軍がとった戦略がアイランドホッピング、またはリープフロッギング(蛙飛び)と呼ばれ、日本では飛び石作戦と呼ばれることが多い。これはラバウルなど要塞化された日本軍の拠点を避けながら、比較的日本軍の戦力が薄く、かつ日本本土に迫るには重要な位置にある島(サイパン島など)に連合軍の戦力を集中させて攻め落としてゆくというものである。】(ウィキペディアより)というものです。
 
 
 私もウィキの記述のような一般的解釈だったんですが、真相はどうも別のところにあったようです。
 
 アメリカは、早くから対日戦の準備を重ね研究していました。主戦場である太平洋をどのように戦ったらよいか考えていたのです。
 
 そして、戦争は陸軍力ではなく空軍力で維持するものと判断します。ですから一般的に言われている守りの堅い陣地を避け飛び石伝いに守りの薄いところを占領したわけではありません。
 
 絶対国防圏であるサイパンが守りが薄いはずないではありませんか。結果的に守りが薄かったのは単に日本の大本営が無能だっただけです。
 
 米軍が狙ったのは航空基地でした。守りの堅い薄いは関係ありません。目標選定はどの空域を占領すると一番効果的に日本軍の補給を阻害できるか?で選ばれました。まず制空権を確保する。そしてその下に制海権を確保すれば陸上戦闘は戦わずして勝つことができるのです。
 
 近代戦の死命を制するのは補給です。補給のすべてを海上補給に頼らざるを得ない太平洋においてこれは一番合理的な戦法でした。
 
 実際、上陸作戦がなかった島でも補給が途絶したため飢えて無力化します。
 
 当初飛び石の距離は300㎞でした。この距離は護衛戦闘機の行動半径によります。大戦後半、これが1000㎞にも伸びたのは、ノースアメリカンP51マスタングやロッキードP38ライトニングのような長距離戦闘機が出てきたからです。
 
 あくまで陸軍による陣地占領にこだわり補給の困難な島々に兵力をばらまいた日本と比べ、この戦争の帰趨を決めるのは空軍力だとして空主陸従の体制を作り上げた米軍の近代性はどうでしょう?
 
 
 これを見たら、「あの時こうすれば勝てた」とか「あの兵器が早く登場していれば…」などという架空戦記の戯言がいかに無意味か思い知らされます。
 
 根本的な戦略思想自体のレベルが違いすぎたのです。
 
 
 日本軍の航空基地(ラバウルなど)は米海軍の攻撃が主目的であって、空域支配の概念はありませんでした。米軍は空域の支配によって海も陸も支配でき、敵の補給を阻止できると戦略的に考えていたのですから、日本人としては甚だ悔しいのですが作戦能力に大人と子供ほどの開きがあったと言えます。
 
 
 現実は現実として厳しく見る必要があります。日本は先の大戦で負けた原因を徹底的に究明しなければなりません。冷静に合理的に…。それがなく、自己憐憫に浸っていては進歩できないのです。また同じような過ちを繰り返して破滅するでしょう。
 
 
 その意味で、耳の痛い話ですがあえて書かせていただきました。

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