アメリカ レンドリースの恐るべき規模
第2次大戦中、アメリカが世界の工場として連合国にさまざまな軍事援助をしていたのは有名です。たとえばイギリスには、南米の空軍基地使用権を貰う代わりに旧式駆逐艦を50隻もタダであげたとか、ソ連にはP‐39やP‐40といったやや旧式化した戦闘機を何千機も援助したとかです。
これは1941年に制定された「レンドリース法』に基づくプログラムによって実行されたわけですが、総額501億ドル(現在の貨幣価値に換算して7000億ドル=70兆円!!!)という巨額なものでした。
これだけ莫大な軍事援助を与えながら、自国経済はびくともせず巨大な物量で自国の軍隊を動かせたわけですから、当時のアメリカは現在からは想像を絶する超大国だったといえます。
ただ、援助する兵器はさすがにグレードを落としていたようです。第一線から外れた兵器か、ロッキードP‐38ライトニングのような高性能機はわざわざターボチャージャーを外して援助していたようです。M‐4シャーマン戦車にしても最も評判の良かったA3型は自国用に残しそれ以外を送りました。しかし旧式機でもデチューンでもその機械的信頼性は確かでもらったソ連としては好評だったそうです。
その規模はソ連に対するものだけでも一戦争できそうな量でした。
航空機 | 14,795 |
戦車 | 7,056 |
ジープ | 51,503 |
トラック | 375,883 |
オートバイ | 35,170 |
トラクター | 8,071 |
銃 | 8,218 |
機関銃 | 131,633 |
爆発物 | 345,735 トン |
建物設備 | 10,910,000 ドル |
鉄道貨車 | 11,155 |
機関車 | 1,981 |
輸送船 | 90 |
対潜艦 | 105 |
魚雷艇 | 197 |
舶用エンジン | 7,784 |
食糧 | 4,478,000 トン |
機械と装備品 | 1,078,965,000 ドル |
非鉄金属 | 802,000 トン |
石油製品 | 2,670,000 トン |
化学物質 | 842,000 トン |
綿 | 106,893,000 トン |
皮革 | 49,860 トン |
タイヤ | 3,786,000 |
軍靴 | 15,417,001 足 |
ソ連に対するレンドリースは、ムルマンスク経由の北極ルート、インド洋からのペルシャ回廊ルート、そしてウラジオストック経由の極東ルートの3つで、特に極東ルートが最大だったそうです。どうせ裏切られるのならウラジオに通じる海峡という海峡に潜水艦を張り込ませことごとく撃沈すべきだったと思います。
まあ海峡で撃沈するとばればれなので、北太平洋のどこかで待ち伏せして叩いた方が良かったかも?ソ連に抗議されても「北海道に対する上陸作戦かと思って…」などと適当に言い訳しとけばよろしい(笑)。
あ~でもこのルートはソ連籍の輸送船ばかりだったそうだから、どちらにせよ国際問題になるな(苦笑)。ドイツのUボートに基地を貸すか?とするとインド洋は抑えとかんといかんな。インド洋抑えるとペルシャルートもお釈迦になるぞ!こりゃいい。北極海ルートはコンドル爆撃機に任せてOK!
日本は、独ソ戦が始まった時点で覚悟を決めとくべきでしたね。なんだ、インド攻略はイギリスを締めあげるほかに、ソ連を締めあげることもできたのか?軍オタの与太話かって思ってたら意外と役に立ちそう!(笑)
結果論ですが…(苦笑)。まあ話がどんどん脱線してきたので、ここら辺で終わりにしておきます

あと追加。イギリスの場合はアメリカにスピットファイア戦闘機を何百機かお返ししてくれたんで、規模はともかく一応チャラなんだけどソ連の場合は結局踏み倒したんだよね(爆)。
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対ソ・レンドリースの経由地が気になり、こちらのブログへお邪魔させて頂きました!
wiki見た際には、7000億とかルーズベルトもしみったれてんなぁ、総力戦時代でこれじゃ、金額的には大して足しにならねぇよ、結局他人のいざこざに金なんて落としたくなかったんじゃん、なんて思っていたのですが、
こちらを見て、な、70...兆円…。。。えっ!????
はいそうです、ドルを見落としていました、助かりましたありがとうございます鳳山さん…
勝てるはずがなかった…西海岸は遠すぎましたね……(東海岸まで一体どうやって行くんだ…
投稿: deaddesktop | 2013年4月 7日 (日) 16時50分
deaddesktopさん、70兆円というと途方もない巨額ですが当時のアメリカは今以上の超大国だったんでしょうね。
投稿: 鳳山 | 2013年4月 7日 (日) 23時32分
レンドリースを検索していたらあたりました。
10年ほど前の記事にあれですが・・・。
総額501億ドル、当時のレート換算で1ドル4~5円だそうで、2000億円以上はありそうですね。
それで大和の建造費が1億4000万 翔鶴が8000万・・・・
とんでもねぇ金額ですね。というか日本の総戦費以上の金額なのでは・・・。
投稿: うほ | 2020年6月 8日 (月) 23時14分
うほさん
真面目に調べたことはありませんが、日本の総戦費以上はありそうですよね。戦車の7056両なんて日本の総戦車生産量を軽く超えてますし。
投稿: 鳳山 | 2020年6月 9日 (火) 18時21分