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2019年3月 2日 (土)

連合軍輸送船団の陣形

Photo_2

 上図は第2次世界大戦中連合軍(おもに米英)で確立された輸送船団の標準的な陣形です。
 
 図はかなりデフォルメされてますが実際は横に極端に広がった形をしています。
 
 これは増大する輸送船被害に対抗するため、多くの戦訓を取り入れ最も被害が受けにくい陣形をオペレーションズ・リサーチによって統計学的・科学的に導き出したものでした。
 
 
 中央に横12列、縦5列で60隻の輸送船が碁盤の目状に並びます。その4隅に小回りのきくコルベットを配し、潜水艦による被害が一番受けやすい側面の防御には護衛駆逐艦が両翼を固めます。
 
 そして後方からは護衛駆逐艦に守られた護衛空母がエアカバーを行います。
 
 潜水艦の被害を受けやすい側面からの雷撃を防ぐために極端に縦幅を短くしているのです。素人考えではガラ空きの正面から潜水艦が侵入したら防ぎようがないではないか?と考えがちですが意外に正面から魚雷は撃ちにくいものなのです。しかも船団の中に紛れ込んだらそれこそ袋のねずみで、爆雷攻撃で簡単に撃沈されてしまいます。
 
 また横方向から攻撃しようとしても、護衛駆逐艦がいるため接近すら難しいのです。
 
 
 連合軍がこの陣形を採用して以来商船被害は激減しました。さらに航路の要所要所に哨戒基地を設けたためさしものドイツ海軍Uボート(潜水艦)艦隊も今までのような大戦果をあげる事が出来なくなりました。
 
 
 だったら枢軸側もこの陣形をまねればいいだろう?と思われた方もいたんじゃないですか。攻撃するほうが一番この陣形の防御力を実感できますからね。
 
 
 ところがそううまくはいかないんです。まず護衛空母と護衛駆逐艦の数が必要です。一番効率よく配置したとしてもある程度数がないといけません。
 ボーグ級(一番上の写真)護衛空母だけで45隻、護衛空母全体では100隻以上、護衛駆逐艦に至っては写真二枚目のキャノン級72隻をはじめ総数400隻以上が大戦中に就役しました。
 
 
 生産力の低いドイツ軍にしても日本軍にしても真似したくても真似できない陣形でした。
 
 
 ただ日本の場合は3列横隊で縦長の船団を少数の海防艦(とごくたまに軽空母)が守るだけでしたから、米軍潜水艦にとっては雷撃機会がふんだんにあるという最悪の陣形でした。失敗はどこにでもあります。大事な事は失敗を教訓にして次に生かす事です。しかしまじめに研究することさえせずいたずらに商船被害を出していたのですから犯罪的です。
 
 ある資料によると日本の商船員の損害率は全体の51%という破滅的な数字でした。その教訓は現在に生かされているのでしょうか?東北関東大震災における政府のお粗末な対応を見ているととても生かされているとは思えません。

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