一式戦闘機隼の主翼構造
第2次世界大戦中の日本陸軍主力戦闘機、一式戦闘機隼。九七式戦闘機譲りの高い運動性で大戦初期大活躍をするも、米英が新鋭戦闘機を投入してくると貧弱な武装が祟り次第に劣勢を余儀なくされます。
ただ運動性が高いため「(敵を)落としにくいが(自分も)落とされにくい」という妙なポジションの機体となりました。機体を自在に操る事が出来るベテランパイロットは生存性が高いことから意外に好まれていたともいいます。
隼の初期武装は機首上面の7.7㎜2挺のみ。さすがにこれでは攻撃力不足なので12.7㎜2門に強化されました。しかし主翼の構造から翼内機銃を装備できないという弱点がありました。
隼に関する本を読んでいると、主翼が3本桁構造だったので翼内装備できなかったとあります。最初私はこれが理解できませんでした。
ちなみに、桁というのは主翼の骨組みで主翼を貫くように横にのびる構造材です。横から見るとIの字状になっています。通常桁は1本か2本。それが隼は3本なのです。3本なら頑丈なので機銃装備するのも容易ではないか?と素人考えで疑問に思ったんです。
ですが、三面図と内部図解をみて謎が氷解しました。他の機体のそれと比べると分かりますが隼の主翼は薄いんですよね。ですから3本桁で補強しなければならなかったわけです。
運動性を上げるためには機体を極限までスリムにしなければなりませんが、その分主翼構造も薄くする必要があったのでしょう。同時期に出現した海軍の零戦は翼内装備していますが20㎜機関砲の発射の際振動で命中率に影響があったという話も聞きます。エリコン社製で初速が遅いというだけではなく主翼構造上も問題があったのかもしれません。
陸軍は当初、格闘戦重視で武装強化をそれほど考えていなかったことが隼の要求に現れていたのだと思います。しかし時代は重武装、高速化、一撃離脱戦法という重戦闘機全盛の時代に入っていました。それが隼の悲劇に繋がったのです。
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