八九式重擲弾筒
グレネードランチャーの一種。どうしても体格の劣る日本帝国陸軍兵士は手榴弾の投擲距離で欧米列強に不利でした。
そこで手榴弾のおよそ3個分に匹敵(爆発半径10m)する簡便な投擲装置の開発が求められます。これで体格による不利を補おうというのです。最初に制式化された十年式擲弾筒は威力と信頼性の面で不満でした。そこで開発されたのが八九式擲弾筒です。
有効射程120m、最大で650mにも達するなかなかの優れ物でした。重量も4.7kgと軽く一人でも運用できました。ただ通常は2~3人で運用するケースが多かったようです。歩兵小隊内で戦銃分隊(分隊支援火器に軽機関銃1挺持つ歩兵分隊)4個、擲弾筒分隊(擲弾筒2門)1個というのが理想的編制だったらしいです。(1個連隊では63門が定数)
運用的にはむしろ軽迫撃砲的使われ方をされました。他国の同口径(50mm)軽迫撃砲と比べると威力射程でほぼ同等ながら重量が半分という理想的携行火器でした。
アメリカ軍が最も苦しめられたのも、九九式軽機関銃と八九式擲弾筒だったといわれています。その分アメリカ軍の評価も高くこれを捕獲すると物珍しさから試し撃ちしたくなる米兵が後を絶たなかったそうです。
しかしマニュアルもなかったため膝の上に乗せて発射すると誤解した米兵の間で、複雑骨折する者が多発したとか。見た感じ支柱の底がちょうど膝に乗せるような形状にはなってますよね(苦笑)。
正しくは、写真のように地面に据えて発射します。なんといっても簡易軽迫撃砲なんですから。
現在では、回転バレル式【ダネルMGL(南アフリカ)など】やアンダーバレル式【アサルトライフルのオプションとして銃身下部の取り付ける方式 M203(アメリカ)など】が主流になっています。
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