要塞、陣地の材料には何が一番適当か?
またまた趣味全開の記事ですみません(汗)。一般の方はどこが面白いのかさえチンプンカンプンでしょうからスルーして下さいな(笑)。
という事でここから先読まれるのはある程度知識がある方だと思って進めます。まずは上図を見てください。各種砲弾爆弾に対する防御施設の材料ごとの安全厚です。
例えば土なら15cmカノン砲に対して20mの厚さがあれば耐えられるという事を現しています。ですから土だけの場所で洞窟陣地を構築するには20m以上掘らないといけません。データはありませんが他の数値から推測すると40cm艦砲なら概算で40m前後の深さが無いと耐えられないでしょう。
これは、この前紹介した「海軍設営隊の太平洋戦争」巻末資料にあった図表から抜粋しています。これだけでも買う価値があるというほどレアな資料ですね♪
もうかなり以前になりますが、「ディエンビエンフーの戦い」でフランス軍上層部が防御施設の資材をけちって105mm榴弾砲に耐えられない物しか作れなかった事が敗因の一つだったと考察した事がありました。
上図を見ると、すくなくても鉄筋コンクリートで1mの厚さは防御施設に必要だったことになりますね。
要塞は絶対に鉄筋コンクリートで作らないといけないというのも分かります。第2次世界大戦中なら連合軍の最大口径砲はアイオワ級戦艦の16インチ(40.6cm)砲なので、鉄筋コンクリートで5mの厚さがあればひとまず安心でしょう。
日本陸軍が満洲に築いた虎頭要塞のべトンの厚さが5mだったのも理に適っていたわけですね。資材がそろわない場合は、各種材料を組み合わせて陣地構築する必要があります。
例えば南方の島嶼防衛で日本軍は椰子の木を利用しました。椰子は意外に強靭でこれを陣地の骨組みに使いその上から珊瑚の欠片や土を厚く敷き詰めるとかなり防御効果があったと伝えられます。
さすがに戦艦の主砲弾は耐えられなかったでしょうが105㎜以下の火砲にはかなり耐えられたそうなのです。
日本軍は(というより各国軍隊は)こういう実測データをもとにして陣地構築してたそうですから凄いですね。命に関わる話でどんぶり勘定で陣地を作ったらだめだという事でしょう。勉強になりました♪
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