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2019年10月19日 (土)

乳香の話

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 前記事で「砂漠のアトランティス」と呼ばれたアラビア半島、オマーン西部にあるオアシス都市遺跡ウバールを紹介しました。その際乳香が主要な交易品で、エジプトやシリア、メソポタミアに輸出し栄えていたと書きました。では乳香とはどんなものかと興味を覚えました。皆さんは興味ないと思いますのでスルーお願いします。

 お香ですから植物から採れるんだろうなと思い調べたらその通りでした。乳香はムクジロ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹液です。樹液の塊を焚いて香にするほか鎮痛・止血などの漢方薬としても重宝されました。古代には同じ重さの黄金と取引されたほど貴重なもので、アラビア半島南部オマーンやイエメン東部が原産。ウバールを含むオマーン西部の乳香貿易で栄えた都市遺跡群は「乳香の土地」としてユネスコ世界遺産に指定されました。

 乳香がいかに貴重なものだったかは、聖書でイエス・キリストが誕生した時東方の三博士が献上した贈り物の中に没薬、黄金と共に乳香も入っていたことで分かります。紀元前40世紀のエジプトの墳墓にも埋葬品として乳香が入っていたそうですから驚きます。古来イエメン地域は海のシルクロードの重要拠点の一つとしてハッピーアラビアと呼ばれたのも納得しますね。漢方薬にもなったくらいですから、遠く支那も交易圏に入っていたんでしょうね。日本にもシルクロードを通じて渡来したそうです。

 現在も良質な乳香はオマーンの特産品だそうですが、乱獲や火災、農地への転換、虫害などで生産量が激減し、今後50年で生産できなくなるだろうと言われています。本当に残念ですね。

 

 

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