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2022年1月 5日 (水)

12式地対艦誘導弾能力向上型について その2

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 先日の記事以来12式地対艦誘導弾能力向上型の潜水艦搭載についていろいろ調べているんですが、防衛省が公表したイメージ画像通りだと米軍のLRASMに似ていますね。LRASMは米軍が現役のハープーン対艦ミサイルの代替として開発している新型長射程巡航ミサイルで対艦目標と地上目標どちらにも使える優れものです。LRASMは空中発射型で射程800㎞、水上艦発射型で射程560㎞あります。

 LRASMはB-1Bステルス戦略爆撃機用としては実戦配備されていると思います。F/A-18E/F用とF-35用の空中発射型がテスト中というニュースを聞いた記憶がありますがこれが現在実戦配備されているのかどうかは分かりません。水上艦発射型もすでに2013年にはMk.41VLSでの発射実験に成功しているのでハープーンと完全に置き換わるのも時間の問題だと思います。

 12式地対艦誘導弾能力向上型が目指すのは射程1500㎞。これがLRASMと同じサイズだとすると空中発射型と水上艦発射型は問題なく搭載できるでしょう。問題は潜水艦発射型で、この形状だと魚雷発射管からの発射は難しいと思います。VLSを乗せるとしてもESSM(発展型シースパロー)やVLA(垂直発射型アスロック)用の通常サイズではなく、より大型でSM-3やトマホークを撃てるストライクレングスが必要になります。

 私のイメージでは、12式を水上艦発射型にした17式艦対艦誘導弾を想像していました。これならサイズ次第ですがすくなくとも直径は35㎝なので余裕で海自潜水艦の533㎜魚雷発射管に収まります。17式をベースにしたらタクティカルトマホークの53.1㎝までは直径を拡大できます。

 もし日本政府が本気で潜水艦発射型の巡航ミサイルを開発するならLRASM型のステルス形状ではなく葉巻型のトマホークタイプにすべきです。こうなると空中・水上艦発射型と潜水艦発射型で二種類の形状にしなといけないので時間がかかりそうです。海上自衛隊は潜水艦用の対艦ミサイルとしてハープーンも搭載していますが、潜水艦乗りはハープーン発射に消極的だそうです。というのもハープーンは発射の際騒音が大きく遠くからでも簡単に対潜哨戒機から補足されます。シナやロシアの対潜哨戒機にどれほどの索敵能力があるか分かりませんが、生存性向上のためには潜水艦から巡航ミサイルを発射するのは最後の手段ということになりそうです。

 となると緊急性を考えればまず空中発射型と水上艦発射型を先に開発し、潜水艦発射型は後回しにしたほうがよさそうです。そして潜水艦発射型はステルス形状ではなくトマホークのような葉巻型ミサイルにすべきだと個人的には思います。

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