ウクライナ戦争開戦初頭、ロシア軍が執拗にリヴィウをミサイル攻撃した理由
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たまたまYOUTUBEでMiG-29に関する動画を見ていたんですが、開戦前ウクライナ軍は主力戦闘機のMiG-29をフルクラムC系列9.13規格相当のMiG-29MU1やMU2に近代化改修していたものの予算不足で数機しかできていなかったとありました。改修を担当したのはリヴォフ航空機修理工場だったそうです。
そこで調べたんですが、リヴォフはウクライナ西部にあるリヴィウのロシア語読みだと知り驚きました。ロシア軍が開戦劈頭から執拗にリヴィウをミサイル攻撃した理由が分かりましたよ。私はてっきりNATOから送られてきた軍需物資の集積地だったから攻撃していたのかと思っていたんですが、リヴィウ航空機修理工場を破壊する目的もあったんですね。
リヴィウ航空機修理工場は、日本で言うなら愛知県小牧市の三菱重工小牧南工場にあるF-35のMRO&U(重整備拠点)やFACO(最終組み立て、検査施設)に当たる施設なのでしょう。おそらくNATO諸国から供与されたMiG-29の整備や修理もここで行われるはずですから、ロシア軍が徹底的に叩いておこうと思ったのも納得です。
現在リヴィウ航空機修理工場が稼働しているのか情報がないので全く分かりませんが、キーウ並みに防空部隊を置いて何とか守って欲しいですね。そして航空機修理工場が稼働できていることを祈っています。
ところで余談ですが、MiG-29は他のMiG戦闘機と同様モスクワの東410㎞ニジニ・ノブゴロド市にあるソコル航空機工場で生産されていました。もう一方の雄スホーイの戦闘機群は地方にある3つの航空機工場で生産されています。Su-27は極東地区沿海州にあるコムソモリスク・ナ・アムーレ航空機工場で生産されました。他にもバイカル湖畔イルクーツクにあるイルクート社イルクーツク航空機工場が最大の生産ラインを持っているそうです。
もう一つの生産工場もシベリアのオビ川沿いにあるノヴォシビルスク航空機工場だそうで、ソ連時代はミグの方が優遇されていた印象です。それが大型戦闘機Su-27フランカーの登場で立場が逆転しました。フランカーは大型だけに発展性が高く重宝されたのかもしれませんね。MiG-29は所詮軽戦闘機ですから。
私はソ連時代の軍事事情に詳しくないので分からないんですが、リヴィウ航空機修理工場はソ連だけでなく東欧諸国のMiG-29の修理や重整備を一手に引き受けていたのかもしれません。戦車も現在のウクライナにあるハリコフ(ウクライナ呼びハルキウ)戦車工場でT-64やT-80を生産していましたからね。
これも調べてみると、1945年ソ連軍がドイツからハリコフを奪回した後同工場でT-44の生産を始めたそうです。その後T-54の最初の試作車を作ったのもハリコフ戦車工場。T-54、T-55はウラル戦車工場とハリコフ戦車工場が二大生産拠点だったと言われます。
全く知らなかったので今回勉強になりました。
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