鬼界カルデラ噴火と縄文時代の人口大激減
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日本は火山国だと言われます。世界の活火山の7%が日本にあると言われ、浅間山、御嶽山、阿蘇山、桜島などが有名です。記憶に新しいところでは、長崎県島原半島にある雲仙普賢岳が1991年6月に噴火し火砕流で43名の死者行方不明者を出しました。また2014年9月には長野県と岐阜県の県境にある木曽御嶽山が噴火し登山客58名の死者を出すという痛ましい災害もありました。
わが熊本では阿蘇山が噴火したというニュースはしょっちゅうありますし、鹿児島県桜島の噴火も日常茶飯事です。いつ起こるか分からない南海トラフ地震にも連動して富士山が噴火する可能性も指摘されていますし、いつ噴火災害が起こるか分かりません。日本人は覚悟が必要だと思います。
日本が地震国である証拠は日本各地にあるカルデラ地形です。北は日本最大のカルデラ地形である北海道の屈斜路カルデラ、本州にも青森県の八甲田カルデラ、十和田カルデラ、栃木県の塩原カルデラ、静岡県の箱根カルデラなど大小数々のカルデラ地形があります。
カルデラができる原因は主に火山の噴火だとされます。阿蘇山などは27万年前から9万年前まで4回にかけて起こったカルデラ噴火で形成された地形だそうです。この時は火砕流が九州の半分を覆ったと言われ、火山灰は遠く東北地方にも降り注いだそうです。縄文時代よりはるかに前なので、さすがに多くの人が犠牲になったとは思われませんが、旧石器時代は200万年前から始まったとされるのでもしかしたらすでに日本列島にも人類は到達していたかもしれません。
前置きが長くなってしまいましたが、縄文時代の人たちに多大な影響があった巨大噴火がありました。それは鬼界カルデラの噴火で約7300年前です。過去1万年で最大の火山噴火だったそうで、火砕流は九州南部に到達し九州南部の縄文文化を壊滅させたと言われます。
鬼界カルデラは海底火山で海上に出ている薩摩硫黄島や竹島はその外輪山の一部です。その大きさは南にある屋久島に匹敵します。縄文時代は16000年前から始まったと言われ紀元前400年ころまで続きます。昔のイメージだと狩猟採集生活をしていたと思われがちですが、一部には栗などの栽培、そして縄文時代の末期には稲作も始まっています。
鹿児島県の52%と宮崎県の南部16%はシラス台地と呼ばれる火山灰で形成される火砕流地形が広がっています。それは鬼界カルデラや桜島、霧島山などの噴火が相次いだためです。鬼界カルデラ噴火の火山灰は東北地方南部にまで達しているので大規模な噴火だったことが分かります。
その火砕流に直撃されたら人間や動物、植物が生きていけないことは分かります。ただ火砕流の影響がなかったところは影響が少ないだろうと素人は考えてしまいます。しかし、火山灰が浮遊し太陽光を遮るため植物の育ちが悪くなり、それを食料にする草食動物も激減します。となるとそれを狩猟して生活していた縄文人も生きていけなくなります。
また、空気中に浮遊する微粒子の火山灰で灰をやられ呼吸困難にもなり下手したら死にますし、降り注いだ火山灰の硫黄成分などで水が汚染され、飲み込んだら消化器官をやられるそうです。
実際、この時期縄文人の推定人口は激減しています。縄文時代末期、26万人いた人口が3分の1の8万人に激減したのは寒冷化が原因だと言われますが、おそらく鬼界カルデラ噴火の直後もそれに匹敵する人口激減が起こったであろうと推定されます。
直接関係ないようで実は関係あると私は見ているんですが、朝鮮半島は2万年前から8000年前にかけてほぼ無人だったそうです。考えてみれば日本より寒冷で土地がやせている朝鮮半島に人が住みにくいのは理解できます。かといって農耕文化はまだ無い。ところが8000年前以降徐々にではあるものの朝鮮半島に人が住み着き始めたそうです。
私は鬼界カルデラ噴火で故郷を追われた縄文人たちが生き残りをかけて日本各地に移住し、その中の一部は朝鮮半島にも達したのではないかと考えました。過去記事で縄文時代末期縄文人たちが海を渡り半島にも稲作をもたらしたと考察しましたが、その前にすでに縄文人の居住区は半島にできていたのかもしれません。これが任那日本府の真相だと私は考えています。
全く知らない外国の土地より、同胞が住んでいる土地のほうが移住しやすいですからね。今後鬼界カルデラ噴火に匹敵するような大噴火が起こるかどうかは神のみぞ知るですが、何が起こっても良いように覚悟だけはしながら生きたいですね。
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