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2024年7月29日 (月)

会津戦争6 『白河口攻防戦』

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 奥羽越列藩同盟と言っても明治新政府が許すはずもない会津藩、庄内藩は別として奥羽鎮撫総督府下参謀世良修蔵を殺害した仙台藩と何故か積極的抗戦派の米沢藩以外の諸藩は新政府と戦争したくなかったと思います。それはそうでしょう。関東や北陸以西(長岡藩など東越後は除く)の諸藩は、親藩譜代外様の別なくことごとく明治新政府に恭順していたのですから。

 尊王攘夷という思想は当時の流行でした。水戸藩の徳川光圀が編纂した大日本史は当時の教養人なら誰でも読んでいた歴史書で一般にも尊王思想が浸透していました。各藩に佐幕派もいれば勤皇派もいたので、幕府方が旗色悪くなると藩の勤皇派が実権を握るようになるのです。それまでは各藩程度の差はあれ勤皇派が弾圧されていたのですから、日本各地で勤皇派による佐幕派の粛清の嵐が吹き荒れました。

 もちろん長州征討や鳥羽伏見の戦いに積極的に参加したような佐幕主戦派の藩もありましたが、周囲が雪崩を打って明治新政府に帰順したら孤立し各個撃破されるので、生き残るためにも新政府に従うしかなかったのです。薩長の明治新政府は佐幕主戦派でありながら降伏した藩に対し、莫大な軍資金を要求し、幕府方との戦いでも先鋒を命じます。彦根藩など安政の大獄でやらかした藩などは、むしろ積極的に戦い新選組局長近藤勇を逮捕したのも彦根藩でした。

 関東地方から会津方面に入るにはいくつかの道がありました。一つは日光街道と会津街道の結節点である日光口。ここは大鳥圭介の伝習隊など旧幕府軍に会津藩の援兵を含めた1300人が守ります。奥州の玄関口白河口は、会津藩が最も重視した方面で国家老西郷頼母を総督とする会津藩の主力2000人が向かいました。中通り仙道地方から奥羽山脈を越えて猪苗代方面に抜ける母成峠などの仙道口は、二本松城など同盟側の要衝を落とさなければ入れないので、この段階で会津軍はほとんど配置されていません。

 白河の関は関東地方から奥州への入り口で古代から栄えていました。鎌倉時代、この地を支配したのは下総結城家の庶流白河結城氏です。白河結城氏は戦国時代まで続きますが、小田原陣に参陣せず秀吉の奥州仕置きで改易されました。関ヶ原以降、白河藩は丹羽氏、榊原氏、本多氏と頻繁に支配者が代わり最後は譜代の阿部家が領主となります。ところが老中だった最後の藩主阿部正静(まさきよ)が権力闘争に負け1867年1月隣の棚倉藩10万石に転封されたため戊辰戦争当時天領になっていました。

 新政府は白河小峰城を仙台藩、二本松藩など東北諸藩に管理させます。奥羽越列藩同盟ができて新政府との戦争が決まると、小峰城は自然に同盟側が支配しました。城には同盟側2500人が守っていましたが、新政府軍は薩摩軍を中心とする700人で奇襲攻撃し城を奪取します。

 慌てた同盟軍は会津藩仙台藩を中心に4500人の兵力を集め7回にわたり総攻撃しましたが失敗に終わりました。新政府は板垣退助率いる土佐藩兵を増援に送り小峰城の守りを固めます。1868年6月、白河小峰城に近い平潟の新政府軍1500人が上陸しました。こうなると白河方面の新政府軍は3000人を超えます。兵力はなお同盟軍より劣勢ですが、近代兵器で勝る新政府軍のほうが有利に戦いを進めました。

 6月24日、板垣退助は800人の兵力で棚倉城攻略に向かいます。同盟側はこれを好機とみて、棚倉城には援軍を送らず白河に総攻撃をかけました。しかしこれは失敗、棚倉城も占領されます。7月2日、失敗続きの白河口総督西郷頼母が罷免されました。誰が指揮しても困難な戦いだったと思いますが、白河方面は完全に新政府側が掌握、以後新政府軍は仙道方面、浜通り方面と進撃を続け同盟側は守勢に立たされることになります。

 白河口の戦いは会津戦争のターニングポイントでした。次回、新政府軍が会津盆地に雪崩れ込むことになった母成峠の戦いを描きます。

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