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2024年7月 9日 (火)

現代ドローン戦争と水上ドローンの可能性

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 ウクライナ戦争は大砲で耕して歩兵が突っ込むという、あるいは塹壕を設けて持久戦をするという第1次大戦のような古い戦争形態に戻ったと言われます。一方バイラクタルTB2に代表されるような無人機やドローンによるハイテク戦闘の側面もある奇妙な戦争です。

 砲兵の砲撃にしても従来は観測員がやっていた仕事をドローンが行い、偵察・目標選定・射撃評価などすべてを担っています。ただ、開戦当初持て囃されていたバイラクタルTB2の名前を最近全く聞かなくなりました。それは混乱していたロシア軍の防空体制が元に戻りバイラクタルが活動できにくくなっているからです。

 安価な無人機とは言えバイラクタルTB2は6億円くらいします。潤沢な国防予算があるわけでないウクライナにとっては、バタバタと落とされたらかなりの打撃になります。という事で最近はより小型で手榴弾程度しか積めないドローンや、小型~中型で戦車の上面装甲を破壊できる程度の爆薬しか搭載できないドローンを多用しています。これはロシア軍も同様で、小型から中型のドローンが主に活躍しているそうです。

 ただ手榴弾程度の爆薬でも、小型ドローンは数万円なので敵兵士一人を倒せればコスト的にペイするそうです。兵士の命も随分安くなったものです。一方、水上ドローンには無限の可能性があると見ています。というのも見た目は完全にモーターボート。40ノット以上の高速で移動でき、航続距離も800㎞あります。搭載している弾頭重量が300㎏もあるので、敵艦船に直撃すれば魚雷並みの威力で一発轟沈も可能です。私の敬愛する軍学者兵頭二十八氏の言う「安心・安価・有用」な兵器が水上ドローンだと思うんですよ。

 水上ドローンの価格は分からなかったんですが、高くても1億円はしないと思います。数千万円程度か下手したら数百万くらいでできそう。これで何百億円もする敵艦船を沈められるのならこれほど良い話もありません。現代の魚雷はハイテク化し価格も高騰しているので、下手したら水上ドローンのほうが安価になっているかもしれません。いくら命中率が高く威力があっても魚雷の射程はせいぜい80㎞くらいです。その10倍以上の射程があり、しかも安価であれば水上ドローンは今後どんどん発展していく可能性があると思います。破壊されても人命は失わないので、値段分だけの損で済みますからね。

 日本が空中ドローンや水上ドローンに力を入れてくれれば良いのですが、平和ボケが酷いと世界の動きに取り残されていく危険性もあります。国民の命を守るためにも日本政府はウクライナ戦争を真剣に研究して必要な装備はどんどん取り入れるべきですね。

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