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2024年9月 5日 (木)

A-SAMとESSM

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20240904-205110

 A-SAMというのは陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾をベースに開発している発展型で海上自衛隊の護衛艦から発射する艦対空ミサイルの事です。ESSMは現代艦艇好きや自衛隊好きならお馴染みの発展型シースパローです。終末誘導のSARHはセミアクティブレーダーホーミングの事で、命中までレーダー照射し続ける必要があります。スパローミサイルと同じ方式ですね。

 なんでこの記事を書いたかというと、もがみ型FFMの後継である新型FFM(FFG ミサイルフリゲートに名称変更の可能性大)のMk.41VLS(垂直発射装置)にA-SAMが搭載される予定だからです。一説にはもがみ型のVLSが後日装備になったのはA-SAMの完成を待ったからだとも言われています。

 ちなみに、A-SAMの数値は不明だったのでベースとなった03式中距離地対空誘導弾のデーターを載せました。03式も改良型では直径28㎝と少し細くなっているので、A-SAMもそれくらいになるかもしれません。数値的にはA-SAMもESSMも似たような性能で射程でA-SAMのほうが若干長いんですが、A-SAMには不安があります。というのもESSMはMk.41VLSの1セルに付き4発積めますが、A-SAMは大きいので(スタンダードミサイル並み)、1セルに1発しか積めないのではと思います。

 新型FFMは32セルVLSを搭載する予定なので、そのうち16セルを艦対空ミサイルにするとA-SAMなら16発、ESSMなら64発も積めます。射程を取るかミサイル数を取るかですが、私個人的には最後は数の勝負になるのでESSM搭載の方が良いと思います。

 まあ、海上自衛隊は艦隊防空をイージスシステム搭載護衛艦やあきづき型に任せて、新型FFMは個艦防衛に徹するつもりかもしれないので、艦対空ミサイルを多数搭載する予定はないのかもしれませんが、今後いずも型を軽空母として運用する気なら艦隊防空艦をもっと増やした方が良いと思います。虎の子の軽空母を失うわけにはいきませんからね。

 ちなみにあきづき型のレーダーFCS-3Aは探知距離350㎞、追尾数200個、同時対処能力32目標なのに対し、新型FFMにどんなレーダーが搭載されるか不明なので、ひとつ前のもがみ型と同程度かその発展型だと想定するとOPY-2多機能レーダーの能力は探知距離200㎞、追尾数200個、同時対処能力16目標と対空戦では若干劣ります。

 もがみ型や新型FFMは対空、対艦、対潜マルチに活躍できる能力を持ちできるだけコンパクトに少人数で動かせるようまとめた艦なので対空戦もそこそこの能力があれば良いという考えなのかもしれません。だったら将来空母打撃群を育成するためにもあきづき型の発展型を多数建造すべきだと個人的には思います。

 まあこればかりは海自の艦隊整備計画と予算の制限があるので何とも言えませんが、あきづき型があまりにも高価すぎるからと廉価版にしたはずのあさひ型が750億円から700億円に下がった程度であまり安くなってないことを考えると尚更です。ここまで散々書いてきましたが、A-SAMの小型化が成功しVLSに4発積めるようになったら良いんですが。

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