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カテゴリー「 軍事」の記事

2023年6月 1日 (木)

アメリカ空軍現有兵力2023年

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 これも軍事研究6月号からです。

 アメリカ陸軍機甲師団1944年型の編制図を目的に買ったのですが、陸自南西防衛態勢やロシア原潜オホーツク要塞の現状、インドの外交防衛政策と日米安保など読みごたえがある記事が多く買って良かった一冊でした。たまにしか買っていなかったんですが、毎月チェックする必要がありますね♪

 このアメリカ空軍現有兵力もその一つです。2023年ですからまさに最新の数字です。実は他にも練習機とか救難ヘリなど多機種あるんですが、一枚の画像に入りきれないのでこれくらいに止めました。

 驚いたのはF-15C/Dで、かなり減っていますね。州兵の分は残っているんでしょうけど。かといってF-15EXも96機に調達予定を減らされさらに80機になるという話もありますからF-15系は減らす予定です。米空軍としては主力戦闘機として完全にF-35Aを据えようとしているのでしょう。私はF-35はF-16の代替かと思っていたんですが、どうやらF-15C/Dの代替になっているみたいです。搭載量を考えるとF-15E系は残した方が良いと個人的には思いますが、どうなんでしょうか?発射母機としてE系を使って中間誘導をステルス機のF-35にさせるという構想があったように記憶しているんですが。空対地も空対空もまだまだストライクイーグルは使えるはずなんですけどね。

 嘉手納のF-15C/Dが退役して部隊も撤退するのは納得ですね。一部では代わりにF-35A部隊が来るという話もありますが、一刻も早く実現してほしいと思います。いくらF-22Aでもローテーション配備では駄目ですよ。F-22にしろF-35にしろステルス機なので専用のメンテナンス施設が必要で通常整備で済まないのでそう簡単にはいかないという問題はありますが、極東有事を考えると力の空白は一番まずいと思うんですよ。F-15C/Dはまだまだ第一線級の戦闘機なので欲しい国は数多く出そう。イスラエルなどはすでに名乗り上げているかもしれませんね。台湾も欲しいかも?F-16V導入は決定していますが。ウクライナには当然間に合いません。それにタダであげるにはあまりにも勿体ない。各国が差し押さえたロシア資産でウクライナが買うというのはありかも?戦後賠償の前払いですよ(笑)。

 余談ついでに言うと、支援疲れしているアメリカや欧州も差し押さえたロシア資産を今のうちに貰うというのはどうでしょう?どうせこの戦争で負けたらロシアは滅亡するんですし。中東に逃げているオリガルヒ(新興財閥)の隠し資産や高級ヨットなど差し押さえしても良いと思うんですがね。悪は一蓮托生です。

 それから高高度偵察機のU-2は退役の方向なんですね。グローバルホークに代わるという話ですが、そのグローバルホーク自体問題がなかったですかね?このあたり知識がないのでご存知の方はご教授下さい。無人攻撃機の主力が完全にリーパー一色になったのも驚きでした。2015年段階ではまだプレデター(MQ-1)が150機くらい残っていたはずですが。もし余っているなら日本に安く売ってくれないですかね?プレデターでも空対地ミサイルのヘルファイアを2発撃てるから日本も欲しいんですよ。まあリーパーのようにペイロードが1.7トンもあって各種誘導爆弾他空対空ミサイル(現状ではスティンガー、将来的にはサイドワインダー搭載予定)を搭載するような凶悪さは求めていないんですよ。ちょっと怖いくらいでもシナ相手には十分ですから。

 そう言えばリーパーの非武装型のシーガーディアンは日本の海上保安庁も導入していましたよね。運用ノウハウは既にありそう。巡航ミサイルのトマホークは導入決定しているんだから無人攻撃機のハードルは無くなったと思うんですがね。今は無人機の時代ですよ!速度は遅いが、滞空時間は長くかなり変則機動できる巡航ミサイルみたいなもんと考えましょう♪

 余談があちこちに流れて収拾付かなくなったのでこれくらいで終わります。

 

追伸:

 F-15C/D退役に関してですが、州兵部隊に回すだけかもしれません。となると余らないから退役機を各国が買うという話も無くなるかも?ちょっと気になりますね。

2023年5月31日 (水)

ウクライナ戦争開戦初頭、ロシア軍が執拗にリヴィウをミサイル攻撃した理由

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 たまたまYOUTUBEでMiG-29に関する動画を見ていたんですが、開戦前ウクライナ軍は主力戦闘機のMiG-29をフルクラムC系列9.13規格相当のMiG-29MU1やMU2に近代化改修していたものの予算不足で数機しかできていなかったとありました。改修を担当したのはリヴォフ航空機修理工場だったそうです。

 そこで調べたんですが、リヴォフはウクライナ西部にあるリヴィウのロシア語読みだと知り驚きました。ロシア軍が開戦劈頭から執拗にリヴィウをミサイル攻撃した理由が分かりましたよ。私はてっきりNATOから送られてきた軍需物資の集積地だったから攻撃していたのかと思っていたんですが、リヴィウ航空機修理工場を破壊する目的もあったんですね。

 リヴィウ航空機修理工場は、日本で言うなら愛知県小牧市の三菱重工小牧南工場にあるF-35のMRO&U(重整備拠点)やFACO(最終組み立て、検査施設)に当たる施設なのでしょう。おそらくNATO諸国から供与されたMiG-29の整備や修理もここで行われるはずですから、ロシア軍が徹底的に叩いておこうと思ったのも納得です。

 現在リヴィウ航空機修理工場が稼働しているのか情報がないので全く分かりませんが、キーウ並みに防空部隊を置いて何とか守って欲しいですね。そして航空機修理工場が稼働できていることを祈っています。

 ところで余談ですが、MiG-29は他のMiG戦闘機と同様モスクワの東410㎞ニジニ・ノブゴロド市にあるソコル航空機工場で生産されていました。もう一方の雄スホーイの戦闘機群は地方にある3つの航空機工場で生産されています。Su-27は極東地区沿海州にあるコムソモリスク・ナ・アムーレ航空機工場で生産されました。他にもバイカル湖畔イルクーツクにあるイルクート社イルクーツク航空機工場が最大の生産ラインを持っているそうです。

 もう一つの生産工場もシベリアのオビ川沿いにあるノヴォシビルスク航空機工場だそうで、ソ連時代はミグの方が優遇されていた印象です。それが大型戦闘機Su-27フランカーの登場で立場が逆転しました。フランカーは大型だけに発展性が高く重宝されたのかもしれませんね。MiG-29は所詮軽戦闘機ですから。

 私はソ連時代の軍事事情に詳しくないので分からないんですが、リヴィウ航空機修理工場はソ連だけでなく東欧諸国のMiG-29の修理や重整備を一手に引き受けていたのかもしれません。戦車も現在のウクライナにあるハリコフ(ウクライナ呼びハルキウ)戦車工場でT-64やT-80を生産していましたからね。

 これも調べてみると、1945年ソ連軍がドイツからハリコフを奪回した後同工場でT-44の生産を始めたそうです。その後T-54の最初の試作車を作ったのもハリコフ戦車工場。T-54、T-55はウラル戦車工場とハリコフ戦車工場が二大生産拠点だったと言われます。

 全く知らなかったので今回勉強になりました。

2023年5月17日 (水)

現代艦船の推進機関

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 ちょうど韓国が次期駆逐艦KDDXに初の統合電気式推進システムを採用するというニュースが入ってきたので、現代艦船の推進機関について調べてみました。

 CODADとかCOGOGとかの最初のCOはコンバインド(複合)という意味です。後の方のDODとかGAGの真ん中のOはORで切り替えの意味、AはANDで併用のことです。ということでCOGAGならガスタービンとガスタービンの複合機関で低速・巡航時のガスタービンに加え、高速を出す必要がある場合はもう一つのガスタービン期間を動かして推進します。

 一般的にガスタービン機関はジェットエンジンと同じ構造でパワーが出ますが燃費が悪いです。逆にディーゼル機関は燃費は良いですがガスタービンほどの出力は出ません。という事で、巡航時の燃費と高速時のパワーを併用するにはCODAGが良いのかもしれません。

 全部調べたわけではありませんが、現代の軍艦で一番採用されているのはCOGAGかCOGOGだと思います(間違ってたらゴメン)。日本の護衛艦でも多数採用されていますし、アメリカのタイコンデロガ級巡洋艦、アーレイバーク級駆逐艦もこれ(COGAG)です。

 そこで話が戻るんですが、KDDXに統合電気推進ってうまくいくか疑問です。コロンビア級は原子力エレクトリック推進だから全く別物だしクイーンエリザベス級空母は150000hp、ズムウオルト級は47000hp×2、5100hp×2の大出力ガスタービンエンジンを積んでいます。韓国海軍は世宗大王級駆逐艦で105000hp出せるので、いつものようにアメリカのゼネラル・エレクトリック社からガスタービンエンジンを買えば問題ないのかもしれません。あとで調べたら日本のIHIがライセンス生産しているように韓国もハンファテックウィンがライセンス生産しているようですね。

 ただ難しいのは、すべての動力を電気で賄うので攻撃に電気を使用すると航行に使用する電気が減る、甚だしい場合は動けなくなる可能性もあります。そういった総合的な電力の配分を韓国ができるかどうかです。別にヘイトでも揶揄でもありませんよ。まじめな話をしています。独島級強襲揚陸艦がエンジンに火災を起こし自力で動けなくなったという話もありますしね。

 ともかくKDDXがどうなるか注目しています。

 

 

2023年4月29日 (土)

ウクライナ陸軍の現有兵力

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 侵略したロシア側の兵力、編制も不明ですが守るウクライナ軍はいったいどれくらいの兵力があるか気になり調べてみました。上の表は2022年2月24日、開戦直前のウクライナ陸軍戦闘序列です。一枚の画像に収めるため非常に小さく見にくくなったのはお詫びします。

 ウクライナ軍の1個旅団の兵力ですが、欧米の資料では5000人から7000人くらいだそうです。クリミア半島をロシアに奪われて以来、ウクライナ軍はNATO編制にシフトしたんでしょうね。ソ連/ロシア型編制だともっと少なく(5000人以下に)なると思うんですよ。

 1個旅団5000人としても38個旅団ですから19万人、これに各種独立部隊が加わりますから総兵力25万人くらいでしょうか。20万人以下の兵力で攻め込んだロシア軍がいかにウクライナ軍を舐めていたか分かりますね。予備部隊が異様に多いのは、おそらく平時編制から戦時編制に増強中か、新設部隊で編成途中という可能性があります。実はこれ以外にも兵力があって、NATO諸国からの兵器援助を受けて戦争中に新設された部隊があります。分かっている分だけ紹介すると、

第82空中強襲旅団

第46空挺旅団

第17戦車旅団

第13猟兵旅団

第21機械化(歩兵、以下同様)旅団

第22機械化旅団

第23機械化旅団

第31機械化旅団

第32機械化旅団

第48砲兵旅団

第49砲兵旅団

第60機械化旅団

第61機械化旅団(歩兵旅団を機械化?)

第62機械化旅団

第88機械化旅団

第115機械化旅団

第116機械化旅団

第117機械化旅団

第118機械化旅団

の各部隊です。

 これに海軍の

第36海兵旅団

第38海兵旅団

も加わりますが、こちらは開戦前から存在した部隊でしょう。

 各部隊の充足率がどれくらいか気になりますが、戦車旅団だけで従来のものも含めて7個。1個戦車旅団はだいたい100両くらい戦車を保有していますから700両前後は戦車を揃えている事になります。あと空中強襲旅団にも戦車がありますから800両程度は完全充足ならありそうです。実際はこれより少ないとは思いますが…。ロシア型編制だと機械化歩兵旅団にも戦車大隊か中隊くらいは付いているはずですが、ウクライナ軍の編制は不明です。

 800両のうち突進に使う100両くらい、西側のレオパルド2なりチャレンジャー2なりM1A2エイブラムス戦車辺りがあれば理想的ですが、まだそこまでは供与されていないでしょう。ただ日本ではあまり報道されていませんが、旧式のレオパルド1も200両くらい供与されているという話があります。さすがにT-90とかT-80との戦車戦は苦しいと思いますが、相手がT-72(改修前)やT-62なら太刀打ちできそう。中東戦争でもM60が活躍しましたから。防御面では普通の均質圧延装甲なのでスカスカですけどね。湾岸戦争時の米海兵隊みたいに爆発反応装甲のパネルを全面に敷き詰めたら良いのに。

 現在は西側の105㎜ライフル砲でも使える優秀なAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)がありますからね。例えばベルギー製のM1060A3なら距離2000m、RHA(均質圧延装甲)換算、撃角0度で460㎜の貫徹力があります。これだと初期の120㎜滑腔砲用APFSDSのDM33と同等の威力です。

 来るべきウクライナ軍の総反攻作戦でこれらの部隊の名を聞くかもしれません。侵略した側のロシア軍の戦闘序列も歴史群像の4月号(だったかな?)に載っていた気がするんですが、気力があったら紹介します。エクセルファイルに書くのも面倒くさいんですよ(苦笑)。それよりも該当号を買っていただいた方が話は早いですが(笑)。

2023年2月 1日 (水)

日本は本土決戦でどこまで戦えたか?

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 最近軍事に関して考えることが多いのですが、大東亜戦争末期日本は本土決戦でどこまで戦えたか興味を覚えました。アメリカを中心とする連合軍は、日本本土進攻作戦『ダウンフォール作戦』を計画していました。これは1945年11月に計画された九州上陸を目的とする『オリンピック作戦』、1946年春に予定された日本の中枢部関東地方を攻略するための『コロネット作戦』から成ります。

 オリンピック作戦に関しては以前書いたので過去記事『本土決戦IF 帝国陸軍は米上陸軍に痛撃を与えられるか?』をご参照下さい。ただし普通に戦ったらまず勝ち目がないので理想的展開をした場合のIFを想定しました。それですら米軍に痛撃を与えるものの最終的には押し切られるという結論でした。

 今回考察するのは関東地方侵攻作戦である『コロネット作戦』です。IFは一切なし。という事で身も蓋もない結論になるのは明らかですが、我慢してお付き合いください。

 コロネット作戦は海上予備も含めたら陸軍だけで25個師団が参加する大規模なものでした。ちなみにオリンピック作戦は14個師団、ノルマンディー上陸作戦時の米軍が22個師団(そのほか英軍などを合わせて39個師団)参加ですから、それに匹敵する大規模上陸作戦だったことが分かります。コロネット作戦は相模湾から侵攻する第8軍(11個師団基幹)、九十九里浜から上陸する第1軍(9個師団基幹)が先鋒でした。

 これに対し第一線で防御に当たるわが軍は、相模湾が第53軍(3個師団基幹)、九十九里浜防衛が第52軍(4個師団基幹)担当です。しかし精鋭ならともかく調べてみると絶望的な戦力でした。

 

 第52軍から見てみましょう。

◇第52軍

 近衛第3師団(近衛第2師団の留守部隊を基幹に編成。装備は劣悪で戦闘力は下の上)

 第147師団(昭和20年第一次兵備で動員された貼り付け師団。戦闘力は下の下)

 第152師団(同上)

 第234師団(第三次兵備で動員された貼り付け師団、戦闘力は下の下)

 

 次に第53軍

◇第53軍

 第84師団(昭和19年、第53師団の留守部隊を基幹に編成。戦闘力は中の下)

 第140師団(昭和20年第一次兵備で動員された貼り付け師団。戦闘力は下の下)

 第316師団(第三次兵備で動員された貼り付け師団、戦闘力は下の下)

 

と、絶望的な戦力でした。一応第53軍の戦略予備に機動打撃師団の第201師団、第52軍の戦略予備には第93師団が控えていましたが、これも戦闘力はせいぜい中の中くらいで、九州のように精鋭の第25師団のような歴戦の精鋭師団は皆無でした。相模湾、九十久里浜どちらにも援軍に行ける位置である栃木県佐野に虎の子の戦車第1師団もあることはありましたが、2個機甲師団を含む完全充足の米上陸軍相手に太刀打ちできなかったと思います。その前に、ノルマンディーのドイツ機甲部隊のように戦場に到達する前に連合軍の航空攻撃でぼろぼろになった可能性が高いです。

 房総方面は低いながら山塊があるので、沖縄や硫黄島のようにしっかり陣地構築していればある程度は抵抗できたかもしれませんが、相模湾の方は米機甲部隊の上陸を許したら終わりでしょうね。東京まで一気に突っ切られる可能性が高いです。おそらく当時の陸軍の作戦としては松代大本営まで米軍が到達する時間をできるだけ遅らせるのが目標だったと思いますが、そこに住んでいる住民にとってはたまったものではありませんでした。今のウクライナのように一般市民の犠牲者がどれほど出るか恐ろしくて想像もできません。

 実態を調べれば調べるほど、絶望的な結果にしかなりません。本土決戦にならなくて本当に良かったと個人的には思います。

2023年1月23日 (月)

大東亜戦争の厳しい現実

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 先日、ブックオフで『なぜ日本陸海軍は共に戦えなかったか』(藤井非三四著 光人社NF文庫)という本を買いました。ただでさえ不利な日本軍が、陸海軍の対立でさらにそれを増幅させるという負の連鎖をこれでもかと紹介した内容で読んでいて気分が滅入る本でした。すでに日露戦争の時からそれは始まっており、その時点でお腹いっぱいで読了するのが非常に苦痛だったというのが正直な感想です。

 とはいえ貴重な資料が載っており一読の価値はあります。どんな嫌な話でも現実を冷静に受け止め将来に生かすというのは大切な作業なのでしょう。その中の一つ、日本がアメリカを中心とする連合軍の通商破壊でどれだけ追い詰められていたかの資料が上です。

 一番上は日本が保有していた汽船(輸送船やタンカー、民間用の商船)の年ごとの推移。下は日本保有船舶の喪失量です。陸海軍とも開戦時が保有船舶はピークで、戦争が続くにつれ減る一方。それに比例して敵潜水艦や航空機によって喪失した船舶は増え続けています。最後の年の1945年の喪失量はたった8ヶ月弱で180万トン。これが一年続くと1944年の200万トンを軽く超えます。この状態だとどう足掻いても戦争に勝つことは不可能です。日本は艦船と共に輸送船、タンカーも最大限努力して建造していたはずですが、喪失量の方がはるかに多くじり貧になっていたのです。

 日本は自国で資源を自給できず海外からの輸入に頼る国ですからね。そういう脆弱性を地政学上常に持っている国という自覚を持つべきです。シーレーン防衛は日本の生命線です。だから台湾有事が日本有事に直結するんです。それにしても貴重な資料でした。

 

2023年1月21日 (土)

韓国K2戦車の防御力

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 今回書く内容はネットで拾った情報で自信ありません。ただ感心したので記事に書くことにしました。また韓国や韓国製兵器をディスるつもりは毛頭ありませんので悪しからず。

 ヤフー知恵袋で「韓国のK2戦車はSiC系複合装甲で防御力が高くないと言われるが本当か?」という質問がありました。それに対し回答者が

 

①SiC(炭化ケイ素)系セラミックス自体が弱いわけではない。

②セラミックスにはアルミナ、SiC、水酸化物系、窒化物系など様々な材料があるが、日独で複合装甲に使用しているのは酸化物系のアルミナ。

③日独の使用しているアルミナセラミックスの複合装甲は細かい六角形状に網目を造りそこにセラッミックスを封入した拘束セラミックス方式なので強靭。モース硬度で9(サファイアとかルビーに匹敵)。

④拘束セラミックスの技術を持っているのは日独など五か国のみ。

⑤とはいえSiC系だから弱いという事ではない。非拘束セラミックスだから被弾すると壊れる。拘束式ならその六角形の部分が部分的に破損するだけ。

⑥日独戦車の複合装甲は複数被弾を想定しているが、韓国のK2は最初の一発を防げれば良いという発想。

⑦これはドクトリン?の違いでだからK2が駄目というわけではない。

⑧ただ耐弾試験で噴出したセラミックス粉の量が尋常ではなかったので2弾目以降の被弾には複合装甲としての能力は無くなる。

 

と回答していて、なるほどと思いました。となるとポーランドがK2を導入してレオパルド2A4をウクライナに供与しようとしていますが、K2をそのままウクライナに渡してレオパルド2A4をドイツに頼んでA5以降の楔形装甲装備型に改修してもらう方が良いのでは?と個人的には思いました。ウクライナにとっては迷惑でしょうが…。

 だったらポーランドが一方的に損するだけなので、直接韓国がK2をウクライナに供与しなさいよという話ですわな。K2供与を西側陣営に残れるかどうかの踏み絵にしても良いくらい。

 以上、与太話でした(笑)。

2023年1月19日 (木)

世界の主要対戦車ミサイル一覧

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 軍事とか国防に関心の無い方にはチンプンカンプンだと思うのでスルー推奨です(笑)。

 最初にお断りしておきますが、貫徹力は軍事機密ではっきりした数値は公表されていません。あくまで暫定値です。特にウクライナ戦争で有名になったジャベリンなどはRHA換算で600㎜以上と書かれているので実際はどのくらいあるか分かりません。わが日本の01式もジャベリンと同等の威力とされているのでジャベリンが貫徹力1000㎜なら01式も1000㎜だろうという安易な想像です。

 現代戦車でRHA(均質圧延装甲)換算700㎜とか1000㎜の防御力というのはあくまで戦車の砲塔前面、車体前面の話ですので、ジャベリンや01式のようにトップアタックできる対戦車ミサイルは貫徹力がRHA換算で500㎜もあればほとんどの戦車を破壊できます。戦車の上面はそこまで防御力がないからです。

 これ以外にも数多くの対戦車ミサイルがありますが、資料が不足していたり調べるのが面倒くさくて割愛しました。フランスのERYXもジャベリンくらいの能力はあると思うんですが、これも分りませんでした。最低でもRHA換算800㎜の貫徹力はあると思うんですけどね。

 イスラエルのスパイクに関しては、歩兵が担ぐSRの数値が全く分かりませんでした。弾頭重量が9㎏くらいだから貫徹力は500㎜から600㎜くらいかなと勝手に考えています。たしかHEAT(成形炸薬弾)って、砲弾の直系が威力に比例するので厳密に計算したら分かると思うんですが…。

 HEATは開発初期で直径の2倍程度の威力、最近では直径の5~8倍の威力になるそうです。日本の01式軽対戦車誘導弾を例にとると直径が140㎜なので、8倍として貫徹力1120㎜になりますね。とするとSRAWも直径140㎜なので1120㎜、ERYXは136㎜なので貫徹力1088㎜になります。これはあくまで最大値で、もし5倍だと01式で700㎜という計算になります。スパイクもこの計算式で言うとMR、LRは直径130㎜なので5倍の威力とすると650㎜、8倍とすると1040㎜の貫徹力があることになります。ここでもSRの直系が不明なので暫定的な計算すらできません(苦笑)。

 数値はともかくとして、現代の対戦車ミサイルはこのくらいの威力があるという事です。

2023年1月17日 (火)

レオパルド2の防御力

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 最初にお断りしておきますが、この数値はあくまで暫定値です。というのも戦車の防御力は軍事機密で公表されていないからです。ただし2A3以前の数値は各資料でほぼ似通っているので一応信頼して良いと思います。逆に2A5以降の楔形装甲追加型は全く分かりませんでした。なのでなんと戦車戦ゲームの数値をそのまま載せました。ですから一番信用できません。

 という事で本題に入りますが、ウクライナ戦争をうけてウクライナにポーランドとスペインからレオパルド2A4を供与するという話が出てきました。ただ開発国ドイツの許可が要るそうでまだまだ不透明です。ドイツ自体はメルケル政権時代の狂った軍縮政策で主力戦車レオパルド2を輸出しまくり200両程度しか残っていません。ここからどこまで巻き返すかは分かりませんが、かつての戦車王国ドイツが復活するには時間がかかると思います。その上、ロシア敗退でウクライナ戦争が終わると危機は去ったという事で元の木阿弥になってしまう可能性大です。

 上の表の見方ですが、APFSDSというのは装弾頭付き翼安定徹甲弾のことで、発射すると弾芯(侵徹体)を包んでいるサボー(装弾筒)がパカっと割れ中身だけが飛んでいきます。侵徹体は細長い矢のような形ですが、敵戦車に命中すると120㎜(西側戦車の場合、ロシアは125㎜)の威力のまま侵徹体が体がぶつかるのでものすごい威力となります。所謂運動エネルギー弾です。

 一方HEATというのは成形炸薬弾です。ノイマン/モンロー効果を利用した砲弾です。防弾の先端部を漏斗状にへこませそこを金属(ライナー)で覆っています。敵戦車に命中すると砲弾のキャップが壊れ砲弾本体は圧力でユゴニオ限界を超えます。すると金属でも液状化に近い動きをし漏斗の中心に圧力が集中、メタルジェット(超高速噴射)が発生します。これが敵戦車の装甲を貫くのです。こちらは化学エネルギー弾です。

 しかしながら、上の表のAPFSDSは侵徹体にタングステンを使用している場合を想定していると思います。アメリカやロシアはより凶悪な重金属の劣化ウランを侵徹体に使用していますから威力は上がります。しかもいったん装甲を貫くと燃え上がり車内を放射能にまみれた炎で焼き尽くす極悪非道な砲弾です。砲塔の防御力もいくら中身が中空の楔形装甲とはいえ実際はもっと数値が上のはず。

 レオパルド2A4と2A5以降で車体前面防御力が変わらないのは楔形装甲は砲塔にしか使われていないからです。ただ、車体側にも追加装甲はしているはずで、実際はもっと大きい数値だと思います。実際の戦車戦では敵砲弾が砲塔に当たる確率が一番高く65%だと言われています。車体上面は30%、車体下面になると2%と極端に低くなります。しかも砲塔でも車体でも正面に当たる確率が一番高いですから戦車は車体正面、砲塔正面の装甲が一番厚いのです。

 ここまで書いていて説明していないことに気付きましたが、数値の単位は㎜です。そしてRHA(均質圧延装甲)換算ですから実際の装甲の厚さではありません。レオパルド2の装甲は日本の90式戦車、10式戦車と同様拘束式セラミックと鋼板を何層にも積み重ねた複合装甲だと言われています。

 ロシアのT-72、T-80、T-90が装備する2A46 51口径125㎜滑腔砲のAPFSDS劣化ウラン弾の侵徹力がRHA換算で600㎜と言われますから、理論上は砲塔正面ならばレオパルド2A4でも防げるという事です。最新のT-14が装備する2A82-1Mの威力は分からないので何とも言えませんが…。

 ちなみにロシアの125㎜滑腔砲より西側の120㎜滑腔砲の方の威力が高いのは侵徹体の長さを長くできるからです。ソ連/ロシア製戦車は車内が狭く砲弾もそれほど長くできないのだそうです。理論上侵徹体が長い方が高威力になります。

 あやふやな情報で申し訳ありませんが、ウクライナ戦争に投入されそうなレオパルド2A4がどんな戦車かという紹介の一環でした。

2022年9月25日 (日)

ウクライナに送る輸送トラックは何がふさわしいか?

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 私は一つの記事を書くとその関連項目にも興味が移るという悪い癖があります。前記事で日本もウクライナのために輸送トラックくらい援助すれば良いのでは?と書いたんですが、では何がふさわしいのか調べてみることにしました。とはいえ、私は車にもトラックにも全く詳しくないのであくまでネットで拾った程度の軽い情報です。間違っていることも多いと思いますので、お詳しい方がいらしたらご指摘お願いします。

 さて、援助するトラックで一番ふさわしいのは自衛隊が使用している輸送トラックをそのまま送ることです。現在陸上自衛隊が使用している最大のトラックは74式特大型トラック、通称7トントラックです。これは標準積載量7トン、最大10トンの積載量があります。とはいえ、自衛隊ですらぎりぎりの数で運用しているのでこれを供与することはできません。ではこれの民間バージョンである三菱ふそう・スーパーグレート(年代ごとに車種は変わっているが現在はこれ)はどうかと考えました。

 スーパーグレート単体の生産数は分からなかったんですが三菱ふそう全体のトラック生産数が年間だいたい3万台から4万台くらい。思ったより余裕がありませんね。日本の物流にも必要不可欠なので中古車もあまり余裕がなさそうです。では中古トラック全体ならどうか調べてみました。

 すると普通貨物車の中古登録車でだいたい17万台くらい、小型貨物車の中古で22万台くらいだそうです。この普通貨物車がどこまでを指すかは不明です。積載量2トンから6.5トンまでの中型貨物車のみなのか、それとも6.5トン以上の大型貨物車も含むのか?

 最悪軽トラでも助かるのでは?と素人考えで思いました。軽トラの積載量は350㎏。ちょっとした弾薬や81㎜中迫撃砲+砲弾くらいは運べると思います。81㎜中迫の重量は42㎏くらい。実は120㎜重迫撃砲も326㎏くらいなんでぎりぎり軽トラにも乗せらせそうな気はします。サイズは全く考えてません。ただ車載のままでは発射できないし、いったん降ろすことを考えると120㎜重迫は無理ですね。81㎜中迫ならもしかしたら車載のまま発射できるかもしれません。ここらあたりは軽トラの強度を知らないので何とも言えませんが…。牽引なら良いのか?ジープで105㎜軽榴弾砲くらいまでなら運べるそうだし…。もっともジープは4駆だから日本の軽トラとは違うけどね。

 結論として10トントラックはあまり援助できないが、中型、小型トラックの中古なら1万台くらいは供与できるかも?と思いました。焼け石に水かもしれませんが、ないよりはまし。もっとも泥濘期のウクライナの状況を知らないので一番理想的なのはドイツのウニモグのような4駆なんでしょうけど。というかドイツがウクライナにウニモグ援助しなさいよ!

 

※ちなみに、陸自の74式特大型トラックは4駆だそうです。ほかのスーパーグレートは違うみたい。

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